秘密3

カルピス
2010年03月20日
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次の朝目が覚めたとき、昨日の出来事が現実なのか夢の中でのことなのか、一瞬本当にわからなかった。

まず自分自身の行動が信じられなかったし、とにかく何かフワフワしている感じだった。


ただ、なかった事にしたいとは思わなかった。



おばは、またいつものおばに戻っていた。

でも普段よりなんとなく明るく生き生きしているように見えた。


嬉しかった。
それに彼女の私に対するまなざしが嫌悪ではなく、好意であるように感じられたということもあったからだ。



そしてまた何度かの正月、お盆が過ぎた。

その間、私と彼女の距離は縮まることも広がることもなかった。


とにかく2人きりという状況がないに等しい。

無理やり作ろうと思えば可能だったであろうが、それにはかなりの不自然さを伴うことになる。


しかしそれでも何度か唇を重ねた。
奪ったというほうが正しいかもしれない。


庭の物陰で、台所で、買い物の途中で。

わずかでも2人になれたとき、半ば強引に彼女を引き寄せ、抱きしめ、静かに…


彼女はいつも同じような反応をした。
驚きの後、戸惑い、諦め、小さな昂ぶり。

なんともいえない表情を浮かべ、切なげにため息をついた。


そして辺りを異常なまでに気にした。
考えてみればあたり前だ。

家族や親戚だけでなく、近所の人に見られればそれは破滅を意味する。



危うい、だが魅惑的なタイトロープダンシング。


怖かった。
切なかった。