奪われるその5
ゆうくん
2005年01月02日
3,522
高く持ち上がった双つの乳房の上端で留められたバスタオルは、太ももの付け根の辺りまでしか伸びていない。もしローアングルで今の美奈子を眺めたら、二本の太ももと下腹部が織りなす微妙な三角州の部分が見えてしまうに違いない。また、美奈子がわずかでも前屈みになると、今度は後ろ側で量感豊かなヒップが露出してしまうことは確実だ。
目を胸の隆起に転じれば、双つの果実のようなふくらみがバスタオルで締め付けられ、その間隙に深い谷間を形成しているのが見える。双乳の頂点には、可憐な突起がバスタオルの生地の上にかすかに浮き出ているのが認められた。
雄二が転勤する前は、こんな姿で家の中をうろつくことはなかった。風呂に入っても脱衣所で身体を拭い、下着をつけ、パジャマを着てから出た。夫婦とはいえまだ新婚一月、しかも婚前交渉も盛んではなかったので、若い美奈子はまだ羞恥心の方が先に立ってしまうのだ。
雄二の転勤後もしばらくはそうしていたのだが、本格的な暑気の到来で変わってしまった。風呂上がりにすぐ下着やパジャマを着けると、暑さのあまり汗ばんでしまう。これでは入浴の意味がない。
そのため、入浴後は裸に近いスタイルで二階の寝室に行き、エアコンで涼んで身体の火照りを鎮めてから衣服をまとうのが習慣化したのだった。
美奈子は、手のひらを団扇にして上気した頬に風を送りながら、階段を登っていった。
寝室のドアを開ける。途端にむっとするような暑い空気に触れ、顔をしかめた。
「なによ、これ‥‥」
昼の間、この部屋は閉め切ってある。そのため、他の部屋に比べて気温が高めになってしまうのはいつものことだが、それにしても今日は少し暑すぎる。
ドアの近くの壁を探り、電気のスイッチを入れる。天井の蛍光灯が光を放ち、部屋がパッと明るくなる。壁紙も天井も白いので、寝室の割には明るい部屋だ。
美奈子は部屋を見回して窓に目を留める。苦笑が浮かんだ。暑さの原因がわかったのだ。窓はカーテンが開け放たれている。外側が暗いため窓ガラスが鏡のように室内の情景をぼんやりと映している。
「これかぁ‥‥」
寝室は西日がまともに当たるので、窓のカーテンを引いておかないと、あたかも温室のように熱が籠もってしまうのである。
そういえば今朝、パートに出かける直前、窓のすぐ横に置いた姿見で身支度をした。その際、天気を確認するのにカーテンを開けたような気がする。あの時、きっとカーテンを戻しておくのを忘れたのだ‥‥。
すでに夜になっているので、カーテンを開け放った部屋の内部は、家の外から丸見えに違いない。そんな中で、バスタオルをまとっただけの姿で立っているというのに、美奈子はちっとも慌てたそぶりは見せなかった。
窓の外から誰かに覗かれるかもしれないという発想はない。家の裏手は小川が流れ、その先は雑木林だ。加えて夜である。人がいるはずがない。美奈子は安心しきっている。
とは言うものの若い女のことだから、たとえ人目がないとわかっても、裸身に近い姿を家の外に晒すのは何となく気恥ずかしい。美奈子はカーテンを引くべく窓へ歩み寄る。
途中、ベッドのサイドテーブルの脇を通りかかったとき、ふと思いついてエアコンのリモコンを手に取った。とにかく暑い。すでに身体が汗ばみ始めている。カーテンよりも先にエアコンだ。
部屋の隅に設置されたエアコンの本体へ向けて腕を伸ばす。リモコンの始動ボタンを押す。
が、エアコンは作動しない。本体を横に見る位置でリモコンを向けたために、角度が浅すぎて届かなかったのだろう。
美奈子は先ほどよりも腕を大きく突き出して、リモコンのボタンを押す。まだ動かない。
そのとき――無理な体勢が祟ったのか、身体に巻きつけられたバスタオルがかすかに弛んだ。が、美奈子はその変化に気がつかない。
なかなかエアコンのスイッチが入らないので美奈子は眉をしかめた。ちょっと息を吐くと、今度は身体全体を斜めに傾けて、腕が大きく上下するほどの強さで再度ボタンを押した。
ようやくエアコンが動き出す。が、不自然な体勢で力を込めてリモコンを操作したため、すでに弛み始めていたバスタオルが更に弛緩してしまう。
もともとバスタオルはしっかり固定されたものではない。身体にぐるりと巻き付け、余った部分の上端を、胸の脇のところで内側に折り込んであっただけだ。水分を吸い、湿ったバスタオルはただでさえ重くなっている。
「あっ!」
美奈子の口から小さな叫びがあがる。
バスタオルが肌を滑ったのだ。それは落下して、美奈子の足下で輪を作った。
左手薬指のマリッジリング以外は何も身につけない、美奈子の生まれたままの白い裸身が、鏡のようになった窓ガラスの中に浮かび上がった。
美奈子は驚きで一瞬棒立ちになったものの、なおも落ち着き払っている。
指輪以外、一糸まとわぬ全裸である。今までバスタオルで隠されていた美奈子の秘密が、天井の明るい照明の元に晒されている。
静脈を透かす白い肌が、蛍光灯に照らされていっそう透明感を増していた。
夏だというのに、全身どこにも日焼けの跡などなかった。外出前に入念に日焼け止めを塗っているためだ。
服の上からも想像できたように、非常にスレンダーな体型でありながら、女らしい丸みは充分すぎるほどある。
トップとアンダーの差の大きい乳房は、ボリュームがありながらも重力に負けずツンと上向いていて、形は良好である。ふくらみの先端には小ぶりの乳輪と乳首が淡いピンクに色づき、人妻とは思えぬ初々しさに輝いている。
ウエストが大きくくびれていて悩ましい。内臓が一つ二つ足りないのではないかと思えるほど内側に湾曲している。とは言っても痩せすぎの印象はない。
痩せている女は、よくあばら骨がゴツゴツと浮かんで不健康な印象を与えるものだが、美奈子の脇腹は滑らかな柔肉がほどよく覆っていた。
細長い楕円形のへその下には、美奈子の女の部分につながる三角形のなだらかな斜面が続いている。やや土手高のふくらみの上には、薄目の陰毛が覆っているが、その形ははっきりとした小判形だ。両サイドの空白地帯の白い肌が、中央部の暗がりとの対比で眩しかった。
そんな裸身を惜しげもなく明かりの下に晒しても、美奈子は狼狽することがなかった。窓の外には誰もいない。慌てる必要などない。
落ち着き払った美奈子は、バスタオルが足下に落ちても、すぐには拾いあげなかった。まずはエアコンを注視する。間違いなく作動して冷気を吐き出しているのを確認すると、リモコンをベッドのサイドテーブルに戻した。
それからしゃがんでバスタオルを拾い上げる。もう一度身体に巻きつけようとして――手をとめた。
エアコンが動き出したとはいえ、部屋の温度が下がるにはやや時間がかかる。ただでさえ風呂から出た直後で、全身が火照っていて熱い。厚手のバスタオルを身体に巻いて、さらに暑い思いをするのは嫌だった。
そうこうしているうちに、エアコンから吐き出された冷気が室内に少しずつ浸透し、微かに美奈子の身体に触れた。汗ばんだ皮膚にそれはとても快く感じられた。
――少しこのまま涼もうかな。
美奈子はそう思った。バスタオルを手に持ったままエアコンの下へ行こうとして、ふと窓のカーテンが開いたままになっているのに気づいた。無機質なガラス板の表面が、美奈子の白い裸身を鮮明に映し出している。
「いけない‥‥。忘れてた‥‥」
美奈子は窓に近づく。ガラスに反射した美奈子の裸身が次第に大きくなる。
窓の前に立つと、美奈子の頭から膝上までが窓枠の中に映し出された。ガラスの向こう側には街灯などの明かりが一切ないため、光の反射率が高く、ほぼ完全に美奈子の生まれたままの姿が投影されている。
一瞬、その映像の鮮明さが、鏡を見ているような錯覚を抱かせた。
美奈子は思わず自分の裸身に見入ってしまった。華奢な肩、大きく成長した乳房、くびれたウエスト、そして下半身の暗がり‥‥。
いつの間にか自分も大人の身体つきになったと思う。つい一、二年前までは少女期の生硬さが残っていたのに。
――男の人を知ると大人の身体になるって本当なのかな‥‥。雄二はこの身体を“綺麗だよ”“可愛いよ”って言いながら抱いてくれるけど‥‥。あたしってホントに綺麗で可愛いのかな‥‥。
不意に美奈子の身体の奥底がうずいた。それは明らかに性への衝動であった。
思えば無理もない。新婚生活で、ようやく性の素晴らしさと女の悦びを覚え始めたのだ。その直後、雄二の転勤が決まり、以来三ヶ月も孤閨を守っている。
美奈子の脳裏に、かつての雄二との愛の行為がよぎった。雄二の逞しい分身が、美奈子の最奥に差し込まれ、激しく律動している。美奈子はきつく手足を雄二の身体に搦め、呼吸を乱しながら、悦びの声を立て続けにあげる‥‥。
美奈子ははっと現実に返った。
目の前の自分の裸身がやけに白く感じた。
――明るい。
ここに立ったときから、窓に映った自分の身体が妙に眩しいような感覚がしていたのだが、それは錯覚ではなかった。窓の脇に置かれた姿見が、天井の明かりを反射して美奈子の身体を斜め前から照らしていたのだ。それが美奈子の身体から微妙な陰影を全て奪い去っていた。
美奈子は改めて窓ガラスに映った己の裸身に目を向ける。それは美奈子の生まれたままの姿を何一つあざむかずに映し出していた。淫靡な性行為の夢想にふけるには、それはあまりに明確な映像だった。
急に気恥ずかしくなった美奈子は、カーテンを引いて、部屋の奥へ戻る。
目を胸の隆起に転じれば、双つの果実のようなふくらみがバスタオルで締め付けられ、その間隙に深い谷間を形成しているのが見える。双乳の頂点には、可憐な突起がバスタオルの生地の上にかすかに浮き出ているのが認められた。
雄二が転勤する前は、こんな姿で家の中をうろつくことはなかった。風呂に入っても脱衣所で身体を拭い、下着をつけ、パジャマを着てから出た。夫婦とはいえまだ新婚一月、しかも婚前交渉も盛んではなかったので、若い美奈子はまだ羞恥心の方が先に立ってしまうのだ。
雄二の転勤後もしばらくはそうしていたのだが、本格的な暑気の到来で変わってしまった。風呂上がりにすぐ下着やパジャマを着けると、暑さのあまり汗ばんでしまう。これでは入浴の意味がない。
そのため、入浴後は裸に近いスタイルで二階の寝室に行き、エアコンで涼んで身体の火照りを鎮めてから衣服をまとうのが習慣化したのだった。
美奈子は、手のひらを団扇にして上気した頬に風を送りながら、階段を登っていった。
寝室のドアを開ける。途端にむっとするような暑い空気に触れ、顔をしかめた。
「なによ、これ‥‥」
昼の間、この部屋は閉め切ってある。そのため、他の部屋に比べて気温が高めになってしまうのはいつものことだが、それにしても今日は少し暑すぎる。
ドアの近くの壁を探り、電気のスイッチを入れる。天井の蛍光灯が光を放ち、部屋がパッと明るくなる。壁紙も天井も白いので、寝室の割には明るい部屋だ。
美奈子は部屋を見回して窓に目を留める。苦笑が浮かんだ。暑さの原因がわかったのだ。窓はカーテンが開け放たれている。外側が暗いため窓ガラスが鏡のように室内の情景をぼんやりと映している。
「これかぁ‥‥」
寝室は西日がまともに当たるので、窓のカーテンを引いておかないと、あたかも温室のように熱が籠もってしまうのである。
そういえば今朝、パートに出かける直前、窓のすぐ横に置いた姿見で身支度をした。その際、天気を確認するのにカーテンを開けたような気がする。あの時、きっとカーテンを戻しておくのを忘れたのだ‥‥。
すでに夜になっているので、カーテンを開け放った部屋の内部は、家の外から丸見えに違いない。そんな中で、バスタオルをまとっただけの姿で立っているというのに、美奈子はちっとも慌てたそぶりは見せなかった。
窓の外から誰かに覗かれるかもしれないという発想はない。家の裏手は小川が流れ、その先は雑木林だ。加えて夜である。人がいるはずがない。美奈子は安心しきっている。
とは言うものの若い女のことだから、たとえ人目がないとわかっても、裸身に近い姿を家の外に晒すのは何となく気恥ずかしい。美奈子はカーテンを引くべく窓へ歩み寄る。
途中、ベッドのサイドテーブルの脇を通りかかったとき、ふと思いついてエアコンのリモコンを手に取った。とにかく暑い。すでに身体が汗ばみ始めている。カーテンよりも先にエアコンだ。
部屋の隅に設置されたエアコンの本体へ向けて腕を伸ばす。リモコンの始動ボタンを押す。
が、エアコンは作動しない。本体を横に見る位置でリモコンを向けたために、角度が浅すぎて届かなかったのだろう。
美奈子は先ほどよりも腕を大きく突き出して、リモコンのボタンを押す。まだ動かない。
そのとき――無理な体勢が祟ったのか、身体に巻きつけられたバスタオルがかすかに弛んだ。が、美奈子はその変化に気がつかない。
なかなかエアコンのスイッチが入らないので美奈子は眉をしかめた。ちょっと息を吐くと、今度は身体全体を斜めに傾けて、腕が大きく上下するほどの強さで再度ボタンを押した。
ようやくエアコンが動き出す。が、不自然な体勢で力を込めてリモコンを操作したため、すでに弛み始めていたバスタオルが更に弛緩してしまう。
もともとバスタオルはしっかり固定されたものではない。身体にぐるりと巻き付け、余った部分の上端を、胸の脇のところで内側に折り込んであっただけだ。水分を吸い、湿ったバスタオルはただでさえ重くなっている。
「あっ!」
美奈子の口から小さな叫びがあがる。
バスタオルが肌を滑ったのだ。それは落下して、美奈子の足下で輪を作った。
左手薬指のマリッジリング以外は何も身につけない、美奈子の生まれたままの白い裸身が、鏡のようになった窓ガラスの中に浮かび上がった。
美奈子は驚きで一瞬棒立ちになったものの、なおも落ち着き払っている。
指輪以外、一糸まとわぬ全裸である。今までバスタオルで隠されていた美奈子の秘密が、天井の明るい照明の元に晒されている。
静脈を透かす白い肌が、蛍光灯に照らされていっそう透明感を増していた。
夏だというのに、全身どこにも日焼けの跡などなかった。外出前に入念に日焼け止めを塗っているためだ。
服の上からも想像できたように、非常にスレンダーな体型でありながら、女らしい丸みは充分すぎるほどある。
トップとアンダーの差の大きい乳房は、ボリュームがありながらも重力に負けずツンと上向いていて、形は良好である。ふくらみの先端には小ぶりの乳輪と乳首が淡いピンクに色づき、人妻とは思えぬ初々しさに輝いている。
ウエストが大きくくびれていて悩ましい。内臓が一つ二つ足りないのではないかと思えるほど内側に湾曲している。とは言っても痩せすぎの印象はない。
痩せている女は、よくあばら骨がゴツゴツと浮かんで不健康な印象を与えるものだが、美奈子の脇腹は滑らかな柔肉がほどよく覆っていた。
細長い楕円形のへその下には、美奈子の女の部分につながる三角形のなだらかな斜面が続いている。やや土手高のふくらみの上には、薄目の陰毛が覆っているが、その形ははっきりとした小判形だ。両サイドの空白地帯の白い肌が、中央部の暗がりとの対比で眩しかった。
そんな裸身を惜しげもなく明かりの下に晒しても、美奈子は狼狽することがなかった。窓の外には誰もいない。慌てる必要などない。
落ち着き払った美奈子は、バスタオルが足下に落ちても、すぐには拾いあげなかった。まずはエアコンを注視する。間違いなく作動して冷気を吐き出しているのを確認すると、リモコンをベッドのサイドテーブルに戻した。
それからしゃがんでバスタオルを拾い上げる。もう一度身体に巻きつけようとして――手をとめた。
エアコンが動き出したとはいえ、部屋の温度が下がるにはやや時間がかかる。ただでさえ風呂から出た直後で、全身が火照っていて熱い。厚手のバスタオルを身体に巻いて、さらに暑い思いをするのは嫌だった。
そうこうしているうちに、エアコンから吐き出された冷気が室内に少しずつ浸透し、微かに美奈子の身体に触れた。汗ばんだ皮膚にそれはとても快く感じられた。
――少しこのまま涼もうかな。
美奈子はそう思った。バスタオルを手に持ったままエアコンの下へ行こうとして、ふと窓のカーテンが開いたままになっているのに気づいた。無機質なガラス板の表面が、美奈子の白い裸身を鮮明に映し出している。
「いけない‥‥。忘れてた‥‥」
美奈子は窓に近づく。ガラスに反射した美奈子の裸身が次第に大きくなる。
窓の前に立つと、美奈子の頭から膝上までが窓枠の中に映し出された。ガラスの向こう側には街灯などの明かりが一切ないため、光の反射率が高く、ほぼ完全に美奈子の生まれたままの姿が投影されている。
一瞬、その映像の鮮明さが、鏡を見ているような錯覚を抱かせた。
美奈子は思わず自分の裸身に見入ってしまった。華奢な肩、大きく成長した乳房、くびれたウエスト、そして下半身の暗がり‥‥。
いつの間にか自分も大人の身体つきになったと思う。つい一、二年前までは少女期の生硬さが残っていたのに。
――男の人を知ると大人の身体になるって本当なのかな‥‥。雄二はこの身体を“綺麗だよ”“可愛いよ”って言いながら抱いてくれるけど‥‥。あたしってホントに綺麗で可愛いのかな‥‥。
不意に美奈子の身体の奥底がうずいた。それは明らかに性への衝動であった。
思えば無理もない。新婚生活で、ようやく性の素晴らしさと女の悦びを覚え始めたのだ。その直後、雄二の転勤が決まり、以来三ヶ月も孤閨を守っている。
美奈子の脳裏に、かつての雄二との愛の行為がよぎった。雄二の逞しい分身が、美奈子の最奥に差し込まれ、激しく律動している。美奈子はきつく手足を雄二の身体に搦め、呼吸を乱しながら、悦びの声を立て続けにあげる‥‥。
美奈子ははっと現実に返った。
目の前の自分の裸身がやけに白く感じた。
――明るい。
ここに立ったときから、窓に映った自分の身体が妙に眩しいような感覚がしていたのだが、それは錯覚ではなかった。窓の脇に置かれた姿見が、天井の明かりを反射して美奈子の身体を斜め前から照らしていたのだ。それが美奈子の身体から微妙な陰影を全て奪い去っていた。
美奈子は改めて窓ガラスに映った己の裸身に目を向ける。それは美奈子の生まれたままの姿を何一つあざむかずに映し出していた。淫靡な性行為の夢想にふけるには、それはあまりに明確な映像だった。
急に気恥ずかしくなった美奈子は、カーテンを引いて、部屋の奥へ戻る。